近年、ベトナムから多くの若者が来日し、日本の介護現場において高齢者と障がい者のケアを担っている。その中には、介護の仕事（日本人高齢者や障がい者に介護サービスを提供）とは別に、日本（浜松）のベトナム人コミュニティを対象に介護予防サロン等を開催している若いベトナム人介護職者たちがいる。その背景には、在日ベトナム人コミュニティの中には、主に難民として来日した人とその家族が含まれているが、一般的に、日本の高齢者を対象とした健康増進や介護サービスの取組を利用していない高齢者が多いことがある。

　またここには、日本でそのようにケアを担っている若いベトナム人介護職者たちのウェルビーングは誰がケアするのか、という課題、さらにはベトナムに残された彼女たち／彼らの家族やコミュニティの高齢者は誰がケアするのか、という課題があるといえる。

　このような観点から、この取組では、１）在日ベトナム人高齢者、２）在日ベトナム人介護職者、３）ベトナムの農村の高齢者、の「健康とウェルビーング」の向上を図るための実践と研究をおこなっていく。