研究テーマ
地球環境変動や人間による土地利用変化が、山岳地へ与える影響を評価するために、物のインターネット(IoT)技術を利用して、山岳表面の環境・生態・地質的プロセスに関する野外モニタリングとその情報の統合を行い、最終的に、多様な山岳プロセスのモデリングと機能評価、診断が可能な、静岡版デジタル山岳を構築する。
研究概要
1 山岳表面情報のスマート探知
地上観測ステーションやUAV、人工衛星といった多様な観測プラットフォーム上から得られる、マルチスケール(個葉から樹冠、森林、流域スケール)での山岳表面の生物、生態、生物地理、地形的情報を融合するために、プラットフォーム上にある各種観測機器または観測情報を探知して集約管理するスマート探知システムを開発する。
マルチスケールで行われる山岳プロセスの野外モニタリングを能動的、受動的に探知し管理することによって、山岳プロセスのモデリングや応用的管理を行う上で欠かせない時空間的に連続した山岳データの取得を行い、また、その管理、提供を行う。
2 情報処理システムによる視覚化
IoTとクラウドストレージ、情報処理システムを開発して、(1)で探知した山岳プロセスに関する様々な情報とデータについて、各システム間でリアルタイム送信を行い、ストレージにおける効率的管理、情報処理システムによる視覚化を行う。
これらのシステム開発は、将来的に“デジタル山岳”を構築する際の、技術的基盤として位置づけられる。
3 モデリングと評価
システムのデータを利用して、マルチスケールのガス交換モデル、水文学モデル、動的植生遷移モデルなど、山岳の主要プロセスの再現・予測モデルを開発し、それを用いて気象変動や人間活動の影響評価を行う。
▼研究所サイト
https://project-kenkyu.shizuoka.ac.jp/introduction-pj-labo/y2020/2-013