2023.06.08
登呂農耕文化研究所
所長:篠原 和大(静岡大学/人文社会科学部/教授)
研究テーマ
登呂遺跡を舞台とした持続的農耕文化の復元とその活用の研究
研究概要
静岡平野の中央部に位置する国の特別史跡登呂遺跡は、弥生時代農耕集落を代表する遺跡であるとともに太平洋戦争後の日本の復興に勇気を与えた記念碑的な遺跡でもあります。約2000年前に作られたムラは100年以上持続して10 万㎡を超える水田を営み、洪水によって集落の大半が埋没した後も水田を復興させ経営を続けたことがわかっています。
現在は史跡公園として水田が発掘された位置に再現整備されています。本研究プロジェクトは、静岡市との連携のもと登呂遺跡の再現された実験水田で、考古学的に復元された当時の道具と推定される技術を用いて水稲耕作栽培実験を行い、その過程と結果を考古学や歴史学のみならず農学、作物学、土壌学、環境科学などの自然科学の手法を用いて正しく評価することを試みます。それは、現代に連なる日本列島農耕文化の特質を追求するものであり、また登呂遺跡の史跡としての価値を高め、現代社会における整備された史跡の活用についても多くの情報を提供します。
▼研究所サイト
https://project-kenkyu.shizuoka.ac.jp/introduction-pj-labo/y2022/4-030