2023.06.13
駿河湾のサクラエビ不漁問題解決に向けた学際的・実証的研究
プロジェクトリーダー:カサレト ベアトリス(静岡大学/創造科学技術大学院/特任教授)
プロジェクトの概要
気候変動による海水温の変動に起因する海洋環境の変化は大きく、海洋生態系、特に植物・動物プランクトン・微生物ループ等の低次生産構造に大きな影響を与えます。2018~20年の駿河湾のサクラエビ漁は記録的な不漁により漁獲量が大幅に減少しましたが、2021年の秋漁から僅かながら回復の兆しが見えてきました。しかし、依然サクラエビ漁獲量の減少は深刻で漁業者・関連業者に影響を与えています。
そこでサクラエビ資源の回復のために科学的な調査を十分に行い、不漁の原因の解明と技術開発を含めた具体的な解決への道筋を早急に示し、持続的なサクラエビ漁を継続していける大学・漁協・行政等の協働プラットホームの推進が必要です。サクラエビの不漁の原因とその対策の科学的な理解のために、様々な要因を総合的に議論する必要があります。
駿河湾のサクラエビ生態の科学的な調査を基に、サクラエビの卵から孵化をさせ、幼生期までの人工養殖を研究、持続的なサクラエビ漁を継続していける生産技術の確立と地域循環型のネットワークを県・市・漁協と構築することを目的としています。重大な海洋問題として注目を集めているマイクロプラスチックの調査を行い、駿河湾においてもその存在が明らかになりました。その実態と駿河湾の生物資源に対する影響の研究を行っていきます。