国連によって2015年に提唱されたSDGsは、2030年までに達成を目指す世界の17個のゴールです。2023年はちょうど半分を過ぎたところ。今回は、「わたしのまわりのSDGs自慢」をテーマに、改めて、SDGsによって生まれた変化について振り返る時間を持ちました。静大教職員8名が参加し、始まる前には、「久しぶりに参加するのを楽しみにしていました」と嬉しいお声もいただきました。
和気藹々とした雰囲気で始まり、参加者から日頃取り組んでいるSDGsに関連した活動や関心について共有されます。
参加者から、浜名湖の生物多様性を子どもたちに伝えているワークショップについて報告がなされると、他の参加者からは、子ども達に生物多様性を教えることができても、その知識を子どもの保護者・大人に理解してもらうのが難しいという問題提起がありました。これに対しては、「自然界の鉱物は、微生物が何十億年かけて作り上げたものであり、現代社会の車産業や鉄鋼業は微生物のおかげで成り立っている事実を話すと、大人にも生物多様性の意義を理解してもらいやすいかもしれない」 といった意見が出されました。
また、子どもの成長・自己実現意欲が、保護者の無関心によって阻害されることがあるという社会教育分野での知見が共有されると、他の参加者から「歯医者は、まずは母親をクライアントにする戦略をとる。母親がクライアントになれば、その家族全員がクライアントになるからだ。もし家族ごと意識を持ってもらうのは、まず母親をどう巻き込むかを考えるのが効果的であり必要な視点ではないか」など、違った意見が共有されました。このように、多様性のある参加者により、一つのトピックにも、様々な方向から意見が示されるのが、「ランチ de SDGs!」の醍醐味です。
他にも、「文理融合で協働する智慧がほしい。個人の研究に忙しい研究者たちに、どのように協働を促せるのか」という問いに対しは、クラフトビールを通して多分野が連携した学内の「発酵とサステナブルな地域社会研究所」の事例の他、「理学・工学にもジェンダーの視点を取り込むことで、新たな研究が可能になる」「社会課題やSDGsのゴールを通して、研究を別の軸で繋げられる」など、様々な意見が共有され、終了間際まで充実した対話が行われました。
(担当:連携推進部門 安冨勇希)