

Move on~持続可能な社会へ道を切り開く学生たち~
静岡大学が主催する、自分のビジネスプランを創り出す起業家育成プログラム「MOVE ON」が五月から七月までの3ヶ月間行われた。静岡大学、静岡理工科大学、浜松医科大学など大学の垣根を越えて学生達が集結し、若手起業家による伴走支援を受けながらそれぞれ自分自身のビジネスプランを創り上げていった。私たちはその「MOVE ON」の最終結果報告会に参加させていただいた。それぞれが3ヶ月間本気で考え抜いたビジネスプランを聞いていく中で、SDGsに関する試みを行おうとしている静岡大学の学生達に出会った。今の大学生がどのような問題に課題を見いだし、どんな方法で解決に向けて取り組もうとしているのか、2名の方にお話をうかがった。
藤原麻緒さん
地元が恋しいがなかなか帰省できず悲しいという想いのもと、「ご当地お届け便」という地元を感じられるものを手軽にお届けする事業を提案した藤原さん。ふるさと納税には、金額が高めで大量にものが届いてしまうという課題があることに着目し、好きなものを好きなだけ受け取れるシステムを構築するそうだ。これはSDGs12の「つくる責任 つかう責任」にも該当し、持続可能な社会づくりを手助けするだろう。地方がより活性化した社会を目指し、藤原さんの事業は続いていく。
栢野雅裕さん
幼いことから海が好きな栢野さん。しかし近年のプラスチックゴミ問題や、ゴミが移っている写真を見て、綺麗な海を目指して自分に何かできないかと考え、プラスチックゴミを回収・リサイクルし、加工して販売する事業を提案した栢野さん。幼いころから海が好きで、海洋ゴミの66%を占めているプラスチックゴミによって景観、生物などが悪くなっていることに心を痛め、極力環境に優しい方法でリサイクルをする方法を構築しようとしている。これはSDGs14の「海の豊かさを守ろう」にも直結する試みである。栢野さんの思いが実現したとき、さらに持続可能な社会へと繋がっていくだろう。
今回、Move onの発表会を取材し、参加者たちの斬新なアイデアとそれに対する熱意に驚かされた。ただ企画を発表するだけでなく、どうしたらそれを実現・継続できるかまで考え抜かれたビジネスプランには、多くの可能性を感じた。また、「私も何かやってみたい」という挑戦心までも生まれてきた。持続可能な社会を構築するビジネスは、もしかしたら学生から生まれてくるのかもしれない。一人一人が、自分には何ができるのかを考え行動することこそが、今の社会に必要なのだ。
加藤優佳(静岡大学グローバル共創科学部2年)
杉山友美(静岡大学人文社会科学部2年)