静岡大学サスティナビリティセンター

2024.08.28

<イベントレポート>サステナビリティセンター・国費留学生フィールド研修@静岡市(2024.8.26)

 2024年8月26日、創造科学技術大学院で学ぶ国費留学生などを対象としたSDGs・カーボンニュートラルについて学ぶフィールド研修が行われました。この研修にはバングラデシュ、インドネシア、タイからの留学生、学部生、教職員など15名が参加しました。

 今回の研修では、静岡市環境局ごみ減量推進課・廃棄物対策課のご協力により、静岡市のすべてのゴミが運び込まれる沼上清掃工場および西ヶ谷清掃工場にてレクチャー&工場見学を行いました。

 最初に訪れた沼上清掃工場では、ダイオキシンなど有害物質の発生を抑制するために高温で焼却された可燃ゴミの焼却灰の中から再資源化が可能な主灰を効率的に抽出することができる設備など昨年の基盤改良工事により最新の設備を活用して、再資源化の促進、排ガス処理の過程で発生する蒸気が近隣の温水プールに用いられたり、蒸気により発電機を使い生み出された電力が公共施設などで用いられたりしていることを学びました。
 次に訪れた西ヶ谷清掃工場では、沼上清掃工場から運び込まれた主灰や回収された家庭ゴミや市民が直接持ち込んだゴミや可燃粗大ゴミがガス化溶融炉で溶かされたのち、メタルやスラグとして再資源化されているのですが、今回の研修ではガス化溶融炉から生成されたばかりのスラグが流れ出てくるところを特別に見学させていただきました。

 また、レクチャーでは、こうした両清掃工場における再資源化の取組み、溶融スラグやメタルがどのように活用されているのかについてだけでなく、静岡市のプラごみ分別回収に向けた取組みや雑がみの分別回収が遅れていることやリチウムイオンバッテリーなどの混入による火災事故が多発していることなど身近な問題や日本における廃棄物処理や関連する法制の歴史などについても講義していただきました。
 さらに、最後の質疑応答では、こうした取組みが循環型社会の構築に資するものの、カーボンニュートラルという観点からは課題も残されており、さらなる技術革新が求められるところであるとの指摘が出され、参加していた留学生など次世代の科学者がこうした課題に取組むことを期待するという声もありました。

 今回の学びを通じて、参加者は自分たちがゴミの<その後>について意識することの重要性を実感し、静岡市が推奨する4R-国が提唱する3R・Reduce(減らす)、Reuse(再使用する)、Recycle(再生利用する)+Refuse(レジ袋などを断る)-を広く市民が知り、実践していく必要があるということに気づくことができました。